コーヒー豆の酸化とは?劣化の原因と防止策をあわせてご紹介!

コーヒー豆の酸化とは?劣化の原因と防止策をあわせてご紹介!

「コーヒーは鮮度が大切」と聞いたことはありませんか?実は、コーヒー豆は賞味期限に関わらず、酸化やその他の劣化によって風味が大きく変化する可能性があります。せっかくの美味しいコーヒーを台無しにしないために、コーヒー豆の劣化について理解し、適切に保存することが大切です。

本記事では、コーヒー豆の酸化とは何か?から、劣化の主な原因、酸化の科学的な仕組み、酸化を防ぐための保存方法について解説します。

1.コーヒー豆の酸化とは?劣化が進む主な原因

コーヒー豆が劣化すると、香りが薄くなる・嫌な酸味を感じる・飲んだ時に胃もたれするなどの、悪い影響を及ぼします。劣化の原因はいくつかありますが、特に大きな要素を以下にご紹介します。

①酸素との接触

酸化とは、「コーヒー豆に含まれる成分が酸素と化学反応をおこして結合すること」です。焙煎された豆には油分が含まれており、これらが酸素と結びつくことで酸化が進行します。そのため、コーヒー豆は空気に触れやすい環境下では酸化が進みやすくなるのです。

②湿気

コーヒー豆は焙煎することで多孔質(小さな穴がたくさん開いた構造)に変化します。そのため、活性炭などと同じく、湿気や臭いを吸着しやすい特性があります。湿度が高い環境では、コーヒー豆が水分を吸収し、カビが発生したり、香りや味わいが変化してしまいます。

③高温環境や温度の変化

高温環境ではコーヒー豆に含まれる油分が、表面から揮発し酸化が進みやすくなります。また、急激な温度変化も結露や豆への負担がかかり、劣化を早める要因になります。

④光(紫外線)

直射日光や電灯の当たる場所では、光や熱により一部の成分が化学変化を起こし、風味が損なわれる可能性があります。

⑤時間の経過

コーヒー豆は焙煎された瞬間から徐々に酸化が進んでいきます。特に挽いた状態(粉状)では酸化が早く進むため、できるだけ早めに消費することが大切です。

しかし、焙煎直後はコーヒー豆には二酸化炭素などのガスが含まれており、お湯をかけた際に、ガスによって成分の抽出が妨げられ、本来のフレーバーが明確に分からないことが多いです

そのため、一概に「焙煎直後が最も新鮮で美味しい状態」とは言えないのです。

酸化の科学的な仕組み

では、コーヒー豆の酸化は化学的にどのように進行するのでしょうか?

コーヒー豆には脂肪酸(脂質)が含まれており、これらが空気中の酸素と結びつくことで酸化が進行します。

特にリノール酸などの不飽和脂肪酸が酸素と反応すると、過酸化脂質が生成され、これが胃の不快感や胃痛の原因となる可能性があります。また、酸化の進行に伴い、揮発性の香り成分が分解・減少し、風味が劣化するとともに、酸味やエグみが強く感じられるようになります。

さらに、コーヒー豆にはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸などの抗酸化物質が含まれていますが、吸湿による加水分解や長時間の保存により分解され、抗酸化機能が低下します。これにより、酸化を抑える効果が減少し、劣化がさらに進む原因となります。

そのため、酸化の進行を抑えるには、酸素、熱、光、湿気の影響を受けにくい環境で保存することが重要です。適切な保存方法を以下に紹介していきます。

2.コーヒー豆の酸化を防ぐための保存方法

 

では、コーヒー豆の酸化を防ぎ、美味しさを長持ちさせるためにはどのように保存すればよいのでしょうか?
美味しいコーヒーを長く楽しむために、以下のポイントを意識してみましょう!

  1. 密閉容器に保存する
  2. 直射日光を避ける
  3. 冷暗所で保存する
  4. 豆のまま保存する
  5. 使う分だけ小分けにする

①密閉容器に保存する

酸素との接触を避けるために、密閉性の高い容器で保存することは、最重要と言っても過言ではありません。密閉キャニスターや、チャック付きの保存袋などに入れて保存するのがおすすめです。

②直射日光を避ける

コーヒー豆は光により劣化が進むため、暗い場所で保存するのがベストです。キッチンの戸棚や引き出しの中などの暗い場所にしまう、又は、光を通さない素材の容器で保存しましょう。

③冷暗所で保存する

温度変化の少ない冷暗所での保存も重要です。冷蔵庫で保存する場合は湿気や香りの影響を受ける可能性があるため、密閉容器に入れた上で冷蔵庫に入れるようにしましょう。

④豆のまま保存する

コーヒー豆は粉にすると酸素に触れる面積が増え、酸化が急激に進みます。そのため、豆の状態で保存し、飲む直前に挽くのが理想的です。

⑤使う分だけ小分けにする

一度に大量のコーヒー豆を容器から取り出すと、酸素と触れる機会が増えてしまいます。小分けにして保存することで、鮮度を保ちやすくなります。

長期保存するには?

コーヒー豆を長期間保存したい場合、通常の保存方法に加えていくつかの工夫が必要です。長期保存のコツを紹介します。

1. 冷凍保存する

長期保存する場合、最も手軽で有効なのが冷凍保存です。低温環境では酸化の進行が大幅に遅くなるため、新鮮な状態を維持できます。冷凍保存の効果を最大限発揮するために、特に以下のポイントを気を付けてみましょう!

・密閉容器に入れる:
空気に触れないように真空パックや密閉容器を使用する。購入したお店の包装袋がチャック付きの密封袋ならそのまま冷凍庫に入れてもOK!

・小分けにして冷凍する:
特に小分けにして冷凍すると繰り返し冷凍庫から出さないで済むためGOOD。

・解凍はしない:
解凍するとコーヒ豆が結露し、水分を吸ってしまうため、冷凍した豆は凍ったまま挽いて通常通りドリップするのがおすすめです。

2.未開封のまま保存する

パッケージを開封しない方が、より新鮮さを長く保てます。ただし、パッケージ内にも空気は含まれているため2ヶ月以上の常温保存は控えましょう。

3. 乾燥剤を活用する

密閉容器に乾燥剤を入れることで湿度を調整し、湿気による劣化を抑えることも有効です。

・食品用シリカゲルを活用:
コーヒー豆に直接触れるため、必ず食品用の乾燥材を使用し、湿気を吸収しきった乾燥剤は効果がなくなるため、定期的に交換しましょう。

4. 低酸素環境を作る

ご家庭では難しいかもしれませんが、密閉容器の中の酸素量を減らすことで、酸化を遅らせることができます。

真空保存容器を使用:
空気を抜いて保存できる真空容器を使用することで、酸化を抑えることができます。

窒素充填パックを利用する:
一部のコーヒー専門店やメーカーでは、窒素充填されたパックでコーヒー豆を販売しています。窒素は酸素を置き換えて酸化を防ぐため、長期保存には非常に効果的です。

3.コーヒー豆の保存におすすめのアイテム

コーヒー豆を美味しく保存するためにおすすめしたいHARIOのアイテムをまとめました!

おすすめの保存容器

コーヒー豆や乾物の保存に便利なキャニスター。耐熱ガラス製で中身の状態が分かりやすく、熱湯消毒もできるので清潔にお使いいただけます。

耐熱ガラス製のカラーガラスシリーズ「HARIO COLORS」のキャニスター。テーブルトップに彩りを添えます。フタは透明なガラスなので中の状態をも確認できます。

どんな天候や保存環境であっても最高な状態でコーヒー豆を持ち運ぶための3つの機能性「密閉性・遮光性・携帯性」を搭載したキャニスター。少量の保存におすすめです。

豆のまま保存するのも、保存のコツ!ぜひ、挽きたてのコーヒーをご家庭でもお楽しみください。

4.コーヒー豆の酸化と保存についてのまとめ

いかがでしたか?コーヒー豆の酸化は、美味しいコーヒーを楽しむうえで避けて通れない問題です。しかし、正しい方法で保存することで、劣化を最小限に抑えることができます。

コーヒーライフを最大限楽しむために、ぜひご紹介した保存のポイントを試してみてくださいね!


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